コロナに想う

中国発の新型コロナウィルスが、全世界に流行するパンデミックとなり、死者数も34万人を超えた。
国境を越えた感染拡大は、ウィルスの複雑な変異もあってワクチンの製造に困難をもたらしている。
そうした中で私たちは、これまで見えなかった権威や組織の正体に気づき始めている。
未曾有の事態とはいえ、私たちは、これまでペストやスペイン風邪、サーズ、マーズなど感染症の恐ろしさを知識として持ち合わせていた。
今回の新型コロナウィルスの発生原因の不明朗さはさておくとしても、武漢の院内における阿鼻叫喚を見て、今回のウィルスの感染力の異常さはまともではなく、早晩このウィルスが海、国境を越えて感染爆発をおこす危険性に、庶民の多くが不安を感じていた。
しかし、その後の我が国での感染拡大に対する政府、厚労省の対応の遅さと狼狽ぶりは見ての通りだ。
この中で目立ったのは、自治体の首長の個々人の能力と、医療機関の勇気、そして民間人の知恵であった。
平時では一般常識程度の能力があれば、官僚のアドバイスでこなせた仕事も、緊急時には、これまでのシステムに目詰まりが生じ、新たな事態に全く機能できず、リーダーの素の実力が問われることとなる。
当事務所のモットーは「知恵と勇気と思いやり」である。
新型コロナは、体力のない老人、病人の命を奪い、緊急事態宣言は、小規模事業主、そして中小企業の経済的命を奪っている。
こうした弱者に対する思いやりが、先例に捉われない知恵とそれを速やかに実行する勇気を生むのである。
WITHコロナは、これからの私たちの生活様式を一変させるだろう。
あ・うん事務所の上記モットーを生かす時期が来た。

弁護士 山田宰

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