本年の御挨拶

新年あけましておめでとうございます。

感染の勢いも止まらず、新しく変異し始めたコロナ禍の中で、新年を迎えることとなりましたが、一言年頭の御挨拶を申し上げます。

昨年は、不自由な非日常の生活を強いられましたが、今年から投与が予定されているワクチンにより、新型コロナの感染が終息することを願わざるを得ません。

人々の生活を一変させたコロナ禍が終息したとしても、これまでと変わらぬ日常的生活に戻るのではなく、むしろこれを機会に、新しい日常に変えていくべきである、という論評が多くなされております。

確かに、コロナ禍の中で働き方やプライベートな生活に工夫を重ねた結果、より合理的な生活のあり様が発見されたことも事実でした。

しかし、人間の知恵を超えた自然災害や、未来を託した筈の科学の発展が、覇権を競うおぞましい独裁者達の道具となり果て、人々を苦しめつつある中、人の絆の大切さが再認識されたことは言うまでもありません。

今回のコロナ禍により強いられた日常の変化は、止むを得ず人との距離を取り、人との触れ合いを遠ざけるための三密の回避でした。先の見えない不安に苛まれながら、必ず訪れるコロナの終息が、そうした三密回避の終りであり、再び人との暖かい絆を確かめ合う日々でなければなりません。新たな日常のあり様が、時間と距離を忘却させる合理性なるものに化けて、この絆を脅かすものとなり果てぬよう、心から願わざるを得ません。

令和3年1月14日

代表弁護士 山田 宰

 

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